
近年、SMS配信はアプリやサービスへログインするための二段階認証や、支払いの督促、飲食店や歯医者などの予約のリマインドメール、発送通知などで利用する企業が増えています。
多くの場合、セキュリティやキャンペーンなどを目的とした利用が増加傾向にあります。ミック経済研究所が発表した調査によると、2021年のSMS利用企業は2015年の12倍にもなると予想。その数値からもわかるように、SMS市場は急速に成長し、企業のマーケティング担当者や開発担当は情報収集を余儀なくされて日も遠くはないでしょう。
しかしながら、Eメールキャンペーンのように誰もが使っているツールではないため、配信の仕組みやどのようにサービスを比較検討すればいいかあまり知られていないのも現状です。そのためどのツールが最適なのか、料金体験がどのようなものかを把握している人は少ないかもしれません。
そこで今回の記事では、各担当者がSMS配信の仕組みと配信サービスを選ぶ際に意識すべき注意点や、業界を牽引するおすすめのSMS配信サービスを10社ご紹介します。
SMS(ショートメッセージサービス)とは
SMSとはショートメッセージサービスの略で、一般的にスマートフォンやガラケーに標準搭載されているメッセージサービスです。
このショートメッセージは個人同士がSMSを送り合う際は、契約している通信会社の通信網を使って送られ、企業が個人にSMSを送る際はSMS配信事業者を通じて送信されます。ただ、注意してほしいこととして、SMSは配信事業者が直接配信しているわけではありません。
SMS配信事業者は企業からSMS配信ツールを通じて受け取った配信先(電話番号)とメッセージのデータを通信会社が保有するルートを介して個人の端末に届くようになっています。
国内配信ルートには、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの国内キャリア直収接続と、海外の通信会社を介す国際網接続の二つがあります。日本国内では4大キャリアが提供するルートを通り送信され、海外には各国の通信会社が持つネットワークを経由して配信されるということを覚えておきましょう!
SMS配信サービス選び方
SMS配信サービスを比較する時、以下の3つのポイントを押さえると、選びやすくなります。
1) SMS配信ルート
SMSの配信ルートは前述した通り、国内直収接続と国際網接続があります。メッセージの内容や配信先によってどちらのルートを利用した方がいいか変わります。
一般的には日本の携帯電話にSMSを送る場合は、国内直収接続の方が到達率がいいと言われています。しかし、国内直収接続はキャリアによる厳しいメッセージ審査があります。そのため、メッセージの内容によってはスパム扱いされ、SMSが届かない場合もあります。
一方、国際網接続は国内ほどメッセージ審査が厳しくないため、国内直収接続では届かなかったメッセージを届けられることもあります。到達率に関しては、実際に配信してみないと確実な数値は分からないので、SMS配信サービスを選定する際は両方の配信ルートを保有している事業者を選ぶといいでしょう。
2) 送信者名表示
SMSはメールのように自由に送信者名を設定できません。SMSの送信者名は電話番号もしくは11桁の英数字で構成する必要があります。実はどの配信ルートを選ぶかで表示方法が変わってきます。
詐欺SMSが増えている影響で、受信からは詐欺ではないSMSも疑いの対象になっています。SMSの開封率を上げるためには、受信者にとって分かりやすい送信者名に設定することも重要です。
SMS配信サービスによっては、英数字表示は追加料金、送信者名を変更すると手数料がかかります。柔軟にSMS配信を行うためには、送信者名表示をどのように提供しているのか、各事業者に確認を取ることをおすすめします。
国内直収接続のSMS送信者名
- 電話番号表示
- ソフトバンクの場合は2から始まる共通番号になります。
国際網接続のSMS送信者名
- 11桁の英数字表示
- 1桁目は必ずアルファベットで始まる必要があります。
関連記事:「SMS送信者名はアルファベット表示がおすすめな理由」
3) SMS配信方法
SMSを配信するためには、大きく分けて2通りあります。1つはSMS配信事業者が提供しているSMS配信ツールからの配信。もう1つは、SMS配信APIを他システムと連携させる方法です。
一番簡単でスタンダードな方法はSMS配信ツールです。ツールの使い勝手はサービスごとに異なるので、導入前に管理画面を見せてもらったり、体験版に触れたりしましょう。直感的に操作できるツールの方が、社内での使い方の共有が簡単です。また、たまにしか配信しない場合も、いちいちマニュアルを読む返す必要がないので便利です。
二段階認証や自社システムからの配信を希望される場合は、SMS配信APIを使うことになります。こちらも導入前に公開されている仕様書を確認して、使いやすいものを選ぶといいでしょう。
おすすめのSMS配信サービス10選
1. 空電プッシュ
【会社名】NTTコム オンライン
【料金】お問い合わせ
国内SMS送信市場 5年連続シェアNo.1(ITR調べ)の国内直収接続型のSMS送信サービス。24時間365日の有人監視および有人受付、深夜の問い合わせにも迅速に対応可能です。オプションでIVR連携のSMS送信や双方向SMSも可能です。
2. KDDI Message Cast
【会社名】KDDI株式会社
【料金】お問い合わせ
KDDIの提供する、信頼性の高い国内直収接続型SMS・+メッセージ送信サービス。
配信先の電話番号の履歴から他人が利用している可能性を判定し、誤配信を防止する機能がありあます。SMSのみならず、+メッセージの配信もできます。
https://biz.kddi.com/service/other-services/message-cast/
3. 絶対リーチ
【会社名】AI CROSS
【料金】〜12円
MNOだけでなく、MVNO携帯にも配信が可能な国内直収接続型SMS送信サービス。プランによっては成功課金(送信失敗は課金対象外)となるので、コストを抑えることができます。また、オプションとして双方向SMSやチャットを利用できます。
4. CM SMS配信サービス
【会社名】CM.com Japan
【料金】〜8.19円
世界10,000社以上の通信会社とコネクションを持つ、SMS送信サービス。日本国内の直収ルートと国際網接続の両方を提供しています。月間ユーザー3億人以上の人気アプリのSMS認証から飲食店やクリニックのSMS配信にも対応。メールアドレスからSMS送信ができるサービスもあります。
5. KYUSMS
【会社名】日本テレネット
【料金】15円
利用企業数2000社を超える国内直収接続型SMS送信サービス。配信状況や配信結果がひと目でわかる画面設計で、トラッキング可能なURLも標準装備しているので、SMS受信者の反応を簡単に測定できます。オプションで自動音声応答(IVR)や双方向SMSも利用できます。
6. fun fun SMS
【会社名】株式会社FunFusion
【料金】10円〜
サポートが手厚い国内直収接続型SMS送信サービス。SMSを代行で配信してくれる代行オプションサービスを提供しているので、活用方法がわからない、社内のリソース不足により担当者が確保できない場合に活用できます。初期費用、月額費用が発生しますが音声再生のオプションもあります。
7. SMSLINK
【会社名】ネクスウェイ
【料金】8円〜
情報通信サービスでの30年の実績を持つネクスウェイが提供する国内直収接続型のSMS送信サービス。「配信先番号のアップロード」「メッセージの作成」「送信日時の設定」の3ステップで簡単にSMS送信と管理を行えます。オプションで送信元表記も可能です。
https://www.nexway.co.jp/promotion/smslink/lpv01/
8. Cuenote SMS
【会社名】ユミルリンク
【料金】〜12円
月間41億通の配信実績を誇るメール配信システム「Cuenote FC」を提供するユミルリンクが提供する国内直収接続型SMS送信サービス。SMSの効果測定にも対応しています。また、オプションで自動音声応答(IVR)を利用できます。
https://www.cuenote.jp/sms/
9. SMSコネクト
【会社名】アクリート
【料金】お問い合わせ
SMS配信市場シェアNo.1の獲得実績(ミック経済研究所調べ)を持つ、17年以上もの運用実績を誇る国内直収接続型SMS送信サービス。オプションで自動音声応答(IVR)や双方向SMSも利用できます。
https://www.accrete-inc.com/service/onewaysms/index.html
10. SMS HaNa
【会社名】日本テレネット
【料金】8円〜11円
業界最短レベルの20文字の短縮URLの配信が可能な国内直収接続型SMS送信サービス。配信停止機能や誤配信防止に役立つ機能もあり、オプションで自動音声応答(IVR)や双方向SMSも利用できます。
CM.comのSMS配信サービスの特徴
ご紹介した選び方に沿って、CM.comのSMS配信サービスの詳細ご紹介します。比較検討の際に、ぜひ参考にしてください。
1) 配信ルート
当社は国内直収接続と国際網接続の両方を提供しています。世界1,000社の通信会社とコネクションがあり、たくさんのルートを保有しています。日本だけではなく、199ヶ国にSMSを配信できるので、海外展開されているアプリやサービスの二段階認証や通知でも問題なくご活用いただけます。
2) 送信者名表示
当社では電話番号表示と英数字表示、どちらも設定可能です。英数字表示に対してオプション料金や変更手数料は一切かかりません。初めてSMS配信を導入する企業は、どの送信者名が一番効果があるか試しながら利用できるメリットがあります。
3) SMS配信方法
当社ではSMS配信ツールとAPIの他に2つのオリジナルサービスを提供しています。普段使っているメールソフトからSMSが配信できる「Mail SMS」とSMS認証専用の「SMS認証API」があります。
SMS認証APIは、SMS配信、パスワード生成、認証がひとつなっているので、SMS配信だけのAPIよりも簡単に二段階認証を実装できます。詳しくはSMS認証APIの仕様書をご確認ください。
4) SMS配信料金
CM.comのSMS配信サービスは完全従量課金制です。毎月の配信通数に関係なく、1通8.19円で提供しています。国内直収、国際通信網、送信者名設定などでオプション料金は発生しません。少ない通数からでも気軽に始められるサービスです。各SMS配信方法の資料をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
SMS配信サービスの選び方を参考に検討しよう
「SMS配信 比較」で検索すると、さまざまなSMS配信事業者が出てきます。それぞれを見ていくと、国内直収接続を強みとする事業者、価格を全面に出している事業者、提供ツールの利便性を事業者があります。
SMS配信1通あたりの料金相場は10円〜15円です。当社のように10円を切っているSMS配信サービスもありますが、メール配信と比較すると高いのが現状です。
そのため、各社の強みを比較し、想定している配信用途で一番効果が出せるサービスを選んで、費用対効果の高いSMS配信を実現させましょう。
無料トライアルを実施しているサービスもあるので、ツールの使いやすさを確認するためにも、無料トライアルを利用することをおすすめします。